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一つの間違いが命取り!?印刷物の担当初心者が抑えておくべき「校正」の3つのポイント

一つの間違いが命取り!?印刷物の担当初心者が抑えておくべき「校正」の3つのポイント

2017年09月01日

執筆者 : 伝つくラボ研究員

印刷物の担当になると印刷物を作成するための様々な工程に関わることになります。
今回は、制作工程の一つである「校正」に関してです。

「校正」とは、業者が作成したデータに誤字・脱字がないか、写真の抜けがないかなどをチェックする作業です。
地味な作業ではありますが、正しい情報を掲載するために非常に重要な作業です。
本記事のタイトルには「命取り」と少し大袈裟に書いてありますが、例えば「100円」の商品を「10円」と間違って表記したチラシを作って配布してしまったとしたら、その後の対応を思い浮かべると校正の重要さがわかると思います。

また、初めて印刷物の担当になった方であれば、初めて体験することも多く、進行の管理や社内調整などで混乱し、校正でのミスを犯してしまうかもしれません。
そこで、会社の損失を防ぐためにも、印刷物の担当初心者が抑えておくべき「校正」の3つのポイントについてご紹介します。

校正とは?

3つのポイントについてご紹介する前に「校正」について解説します。
上記でも述べましたが「校正」とは、業者が作成したデータに誤字・脱字がないか、写真の抜けがないかなどをチェックする作業です。

校正作業は、作業前の状態のもの(原稿)と作業後に出力したもの(ゲラといいます。以降ゲラと表記)を比べて、誤りを正していきます。
具体的には、入稿した元データを原稿として作成したデザインデータを出力したものがゲラとなり、原稿とゲラを見比べて修正があれば、ゲラに修正指示を記入していきます。この修正指示が記入されたゲラが次の原稿になり、修正指示をもとに修正した次のゲラと見比べるという作業を繰り返して間違いのない印刷物に仕上げていきます。

この修正の繰り返し作業の各段階にも呼び方があります(呼び方や考え方は各社違いがあります)。
「原稿を元にデザインデータを作成してゲラを出力し、原稿とゲラで校正を行う」を一つのセットとして、初めのセットを「初校」、次のセットを「再校」、以降「三校」「四校」といったような呼び方をします。
一般的な印刷物であれば、大体「三校」までで修正箇所もなくなり校正が終了します。この終了した段階を「校了」と呼びます。

校正の流れ

校正の流れ

以上が校正と校正作業の流れに関しての解説となります。
印刷物の担当者になると必ず校正作業を行うことになりますので、頭に入れておきましょう。

少し話は変わりますが、「校正」とともに語られることが多い「校閲」についても簡単ではありますがご紹介したいと思います。
「校正」は主に制作上の間違いをチェックする作業でしたが、「校閲」は文章の意味、表現の仕方、事実関係の確認などを行うことで正しい内容に正していく作業です。
校正よりも内容に踏み込んだ作業であるため、調査や意図の確認などが必要になります。

また、印刷物を作成する場合は、上記で解説した「校正」以外に「色校正」という工程が発生します。
「色校正」はその名の通り、印刷物の色の確認をすることです。
具体的には、掲載した写真やコーポレートカラーなどがイメージとあっているかなどを確認します。
色校正には様々な方法があるので詳細を知りたい方は、「イメージ通りの印刷物をつくるために、印刷物の担当初心者が知っておくべき「色校正」について」をご覧ください。

それでは、印刷物の担当初心者が抑えておくべき「校正」の3つのポイントについて述べていきます。

元となる原稿が大事

1つ目のポイントは、印刷物の内容の「元となる原稿」をしっかり事前確認しておくことです。

印刷物の担当になると内容に必要な元原稿の作成を関係部署に依頼したり、資料を集めたりとページ数によっては膨大な量の情報が集まることになります。
この時、「業者に任せておけばいいや」「後で確認すればいいや」という気持ちで原稿や資料を一切確認せずに制作工程に入ってしまうと、校正時に修正箇所が多すぎて予定より時間がかかってしまったり、間違いに気づかないまま印刷まで進んでしまい、刷り直しになってしまったり(この場合の刷り直し費用はお客様持ちとなります)といった事態になりかねません。
元原稿や資料のチェックは、校正作業が開始される前に行うことになりますが、効率的な校正を実現するためには、このような事前準備が必ず必要になると肝に銘じてください。

また、内容のライティングを業者にお願いする場合も文章を作成するために資料などが必ず必要になります。
この時、資料の数値や商品名などが既に間違っている状態だと、正しい情報がわからない業者側では見つけることができません。
お客様の事業や商品について一番知っているのはお客様であるため、業者任せにせず、制作作業が開始される前に必ず原稿や資料の確認を行いましょう。

校正時に注意して確認するべき項目

校正では、サッとチェックできる項目と注意して確認した方が良い項目があります。この注意して確認すべき項目が2つ目のポイントになります。

数値データ

数値データとは、商品の価格や寸法、データの単位などが該当します。
数値データは購買の判断となる要素であるといえます(価格はもちろんですが、例えば家具を買う時は部屋に置けるサイズか検討するために寸法を見るはずです)。そのため、間違った数値データが掲載されていることによって購買の機会を失ってしまうかもしれません。
数値データはできる限りしっかり確認しましょう。

固有名詞

人名や社名、商品名などが固有名詞に該当します。
人名や社名の間違いは、信用度を下げる要因になりますし、商品名の間違いは商品を見つけられないなど購買の機会を失うことに繋がるかもしれません。

連絡先や日程

連絡先は電話番号やメールアドレスなど、日程はイベントの開催日や営業時間などの情報が該当します。
この項目も「問い合わせができない」「今日までだと思っていたイベントが昨日で終わってるじゃないか」といった信用問題に発展するかもしれないので注意して確認することをお勧めします。

その他

項目ではありませんがその他に注意すべき点を2つ挙げておきます。

1つは「表紙ページ」です。
印刷物が冊子である場合、表紙ページは読者が最初に見るページになりますので、印象も強く、間違った情報が後々まで影響する場合があります。
例えば、表紙に掲載されていた間違った商品名を覚えられてしまい、購買の機会を失うということも考えられます。

2つ目は「客観的に見る」ことです。
校正は確認作業を繰り返し行うため、再校、三校と進むほど作業に慣れてきます。その結果、流し読みをして間違いを見落としてしまうという事態になりかねません。
また、自分の会社の情報だから間違いはないと思い込んだまま作業をした結果、古い情報のままだったなんて事態も想定できます。
このようなことが起きないように、できる限り思い込みをせず、初めて見るという気持ちで客観的に確認作業を行ってください。

効率的な修正指示の入れ方

校正に初めて関わる担当者では、どのように修正指示を入れたら良いか悩むことでしょう。
悩んだ結果、修正指示の記入に時間がかかってしまう、指示がわかり難いために業者が修正作業に時間を費やしてしまうといった事態になりかねません。
このような状況を避けるために、3つ目のポイントとして効率的な修正指示の入れ方についてご紹介します。

修正指示は赤ペンで書く

編集や印刷の現場では修正指示を「赤字」と呼びます。
読んで字の如く修正指示を赤色の文字で記入することで、印刷物の制作現場では「赤色の字は修正指示だ」という共通認識があります。
他の色の蛍光マーカーなどで高度な指示出しをする方もいますが、初心者は難しいことをせず、赤ペンに統一して修正指示を記入しましょう。

シンプル&丁寧に書く

校正は業者と協力して行う作業になるので、お互いに配慮することで効率的に進行できます。
そのため、相手が読めない「走り書き」や「なぐり書き」での修正指示は絶対に止めましょう。

長文での指示も意図を間違って捉えてしまうことに繋がります。また、紙面一杯にビッシリ修正指示を書く方もいますが、指示が混ざってミスに繋がりかねません。
修正指示はできる限りシンプルに書きましょう。

シンプルといっても修正指示を文章で伝えないといけない場合もあります。
このような場合に役に立つのが「校正記号」です。校正記号は、印刷物などの校正時に使用する記号で修正指示をわかりやすく示したものです。
校正記号には多くの記号が存在しますが、校正に初めて関わる担当者が覚えておくと良い校正記号をご紹介します(当社の独断と偏見で選んでいます)。
下記の修正記号をうまく利用して、効率的に作業を進めましょう。

修正指示内容 書き方 記入イメージ
文字の削除 該当する文字に斜線を引いたり、「トル」と記入する。 校正記号文字の削除
文字の修正 該当の文字に斜線を引き、修正後の文字を記入する。 校正記号文字の修正
文字を挿入する 挿入位置に上矢印(または下矢印)を書き、修正後の文字を記入する。 校正記号文字を挿入する
文字の入替え 入替える箇所を指定する。記入方法は右図参考。 校正記号文字の入替え
指定位置で改行 改行したい指定の位置で右図のように記入する。 校正記号指定位置で改行
改行を止め、行を続ける 続けたい行の後ろと前を線で繋ぐ。

手書きが大変ならデータで

例えば、ある文章を丸々削除して新たな文章を入れる場合、それを全て手書きで記入するのは大変ですよね。
このような場合は、無理に手書きせず、ゲラには削除指示のみを記入し、新たに挿入する文章はパソコンなどで入力したテキストデータを支給しても構いません。
手書きで時間を取られることもなく、修正作業者としても文字入力をしなくて良いため効率的に作業ができます。
修正指示は全て手書きでなくてはならないわけではないので、デジタル機器をうまく利用して効率的な作業を心掛けると良いでしょう。

まとめ

校正は、印刷物の担当者にとって責任が伴う重要な作業です。
読者に正しい情報を届けるためには、間違いをできる限り掲載しないよう努力する必要があります。
とはいっても、確認をするのは人間ですのでミスもしますし、初めて担当者になった方であれば、間違いの見落としも起こると思います。
そのようなミスをできる限り減らすためにも、本記事でご紹介したポイントを抑えて校正作業に取り組むことをお勧めします。

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