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あなたの言葉をターゲットの言葉に置き換える ─ 伝わる言葉のつくりかた(その1)

あなたの言葉をターゲットの言葉に置き換える ─ 伝わる言葉のつくりかた(その1)

2017年10月31日

執筆者 : 伝つくラボ研究員

商品やサービスをお客さんや友人などにアピールする場合、機能を説明したり、資料を読んでもらったりして、その商品やサービスの良さを伝えようとします。
しかし、相手の反応が弱く、「伝わっていないなあ…」「理解されてないなあ…」と感じることってありますよね?
この理由は、あなたの説明や資料で使っている言葉が、お客さんや友人(以下ターゲット)が理解できる言葉に置き換わっていないからです。

あなたが普段何気なく使っている言葉を説明や資料に使用しても、ターゲットがその言葉を知らない、異なる意味で使用しているといった状況では、正しく理解されることは難しいでしょう。
このような問題を解決するため、本記事では「あなたの言葉をターゲットの言葉に置き換える」という方法について解説したいと思います。

なぜあなたの言葉では伝わらないのか?

例えば、あなたが新商品について他者に伝える場面を想像してみてください。

新商品を開発したあなたは、会社の同僚に伝えることにしました。
その同僚とは普段から会話をしていることもあり、途切れることなくスムーズに新商品について伝えることができました。
同僚もあなたの話をきちんと理解しており、「いいね」と賞賛を送ってくれたため、それを聞いたあなたは、うまく伝えられたと心の中で実感します。

同僚から賞賛されたこともあり、早速、取引がある他業界のお客さんにプレゼンすることになりました。
新商品の良さをうまく伝えたいあなたは、同僚へのプレゼンよりも丁寧な言葉遣いにし、商品の特長を強くアピールするなど、伝え方を工夫しましたが、なぜか反応が薄い...
普段そのお客さんとは趣味の話で盛り上がっているのに、仕事の話になった途端、理解されなかったり、間違った認識をされてしまったりと「何か伝わっていないなあ...」という感覚に陥ってしまうことが度々あり、今回もそのような状態でした。

上記は、例えではありますが、あなたも似たような経験をしたことがありませんか?
例えのように同僚には簡単に伝わるのに、お客さんには伝わらない。ましてやお客さんへのプレゼンは言葉や見せ方を工夫をしているのにどうして...と思ってしまっても仕方がないです。
このような伝わり方の違いがなぜ発生してしまうのか。その理由となる2つのことについて解説していきます。

理由1:「知らない言葉」を使っている

1つ目は、相手の「知らない言葉」を使って、伝えてしまうことです。
上記の例えの同僚へのプレゼンの場合について考えてみましょう。
同じ会社で普段から会話をしているあなたと同僚は同じ言葉を使用しているため意味などを「知っている」状態といえます。
そのため、少し難しい言葉や専門用語を使用しても、お互いが「知っている」のできちんと理解され、スムーズな会話が成立します。

一方、お客さんへのプレゼンの場合、他業界で働くお客さんからすると専門用語などの「知らない言葉」が使われたプレゼンでは、内容を理解ができない、間違った認識をしてしまうといった状態になってしまいます。
いくら言葉を丁寧にしたり、特長をアピールしても「知らない言葉」があることによって、伝わらないポイントが発生し、反応が薄いという結果になってしまうのです。

この「知らない言葉」の代表が、上記にもあげている専門用語です。
特に「コミュニケーション」のような横文字や頭文字で構成された略語などは、普段使用しない方からすると出てきただけで聞くことをやめてしまう方もいるでしょう。
また、ある業界でしか使われない言葉も専門用語の領域に入ってきます。
専門用語は、同業界の方との会話の中で使用する分には問題ありませんが、他業界の方やエンドユーザーとの会話では注意が必要です。

理由2:相手の言葉の捉え方を把握していない

2つ目は、相手の言葉の捉え方を把握していない状態で、伝える作業をおこなってしまうことです。
言葉は人によって捉え方が異なります。
例えば、AさんがBさんに「かわいいもの」を紹介することになったとします。
この時、Aさんが「かわいい」と思うものを紹介しても、Bさんから同意を得られないでしょう。なぜならば、Aさんがイメージする「かわいいもの」とBさんがイメージする「かわいいもの」が一致しないからです。
そのため、Bさんに「かわいい」と思ってもらうためには、Bさんが「かわいい」と思うものを把握してから紹介する必要があります。

言葉の捉え方の違いは、伝わらないという問題だけでなく、コミュニケーションにおいての誤解を生む原因にもなるため注意が必要です。
理由1の「知らない言葉」は、専門用語などの日常ではあまり使わない言葉が対象であったため、説明を加えるなど対応がある程度容易でした。
しかし、この「言葉の捉え方を把握する」ことは、日常よく使う言葉が対象であり、ちょっとした捉え方の違いで誤解が生じてしまうため、対応が難しいといえます。
誤解なくきちんと伝えるためには、伝える相手のことを知ることが必要になってきます。

ターゲットの言葉に置き換えて伝える

上記の2つのことから、伝わり方の違いが生じてしまう理由をご理解頂けたと思います。
では、あなたの言葉では伝わらないターゲットに、どのように伝えればよいのか?
その問題を解決する方法が、「あなたの言葉をターゲットの言葉に置き換える」という方法です。

この方法を簡単に説明すると、「あなたの言葉をターゲットが日常よく使っている言葉や表現に置き換えて伝える」ということです。
これを実行するためには、「置き換える必要がある言葉を洗い出す」ことと「置き換えるための言葉をつくる」ことが必要になります。
ここからは、上記の2点について解説していきます。

置き換える必要がある言葉を洗い出す

置き換える言葉を洗い出すためには、ターゲットを知り、ターゲットとあなたの言葉の違いを確かめる必要があります。

ターゲットを知る

ターゲットを知るためには、調査が必要になります。
言葉についての調査としては、ターゲット層へのアンケートやインタビュー、ターゲット層向けのメディア(テレビ、書籍、ブログ、アプリなど)を視聴するなどの方法が考えられます。
これらの方法によってターゲットが日頃から使っている言葉やメディアがどのような言葉で伝えているかを把握したり、言葉の捉え方を探ったりして、ターゲットの特徴や傾向を掴みましょう。

ターゲットとあなたの言葉の違いを確かめる

ターゲットの言葉に関する特徴や傾向を掴んだら、あなたの言葉との違いを確かめます。
言葉の比較が難しい場合は、一旦ターゲットのことを置いておいて、あなたの思うままにキャッチコピーや説明文を作ってみましょう。
あなたが思うままに作ったコピーや文章は、あなたの言葉そのものといえます。これを素材として言葉の違いを確かめてみましょう。

確かめる時の具体的なポイントについてですが、伝わらない理由でも挙げた2つの項目がポイントになります。
1つ目の「専門用語」は知らないと意味がわからない言葉なので、作ったコピーや文章に専門用語がある場合は、ターゲットがその専門用語を知っている・使っているかを確かめましょう。
2つ目の言葉の捉え方については、主に「形容詞」「形容動詞」に注意します。
「かわいい」といった形容詞と「きれいな」といった形容動詞は意味の捉え方に違いがある場合が多いので、どのように言葉を捉えているか確かめましょう。

このようにターゲットを知ることと、ターゲットとあなたの言葉の違いを確かめることで、置き換えることが必要な言葉を洗い出すことができます。

置き換えるための言葉をつくる

置き換える必要がある言葉を洗い出したら、次は置き換えるための言葉をつくります。
この言葉をつくり間違えてしまうと「置き換えたけど伝わらない」ということになってしまうので重要な作業です。

専門用語を置き換える言葉のつくりかた

まずは専門用語の置き換えについてです。
専門用語を置き換えるには、「説明文」をつくることが良いでしょう。
ターゲットが知らない専門用語もその意味を説明する言葉で伝えることができれば、理解できると思います。

説明文の作り方ですが、まずは辞書やインターネットでの検索で良いので専門用語の意味を調べます。その意味を述べた文章があると思うので、その文章をもっとわかりやすい文章につくり変えていきます。
わかりやすい文章につくり変えるポイントは、「小学生が理解できる」ことを意識すると良いでしょう。
これ以上わかりやすくできないという状態まで深堀りしたら、ここまでにつくりあげたいくつかの文章の言葉をターゲットの言葉と照らしあわせて、理解しやすいと思う言葉を選びます。
ここで選んだ言葉が専門用語を置き換えるための言葉となります。

捉え方が異なる言葉の置き換え方

次は「かわいい」「きれいな」といった形容詞・形容動詞の置き換え方です。
「かわいい」「きれいな」といった言葉には「〇〇だから、かわいい」「〇〇だから、きれいだ」というあなたが思う理由が必ずあります。
このあなたが思う理由の部分をターゲットの理由と照らし合わせ、ターゲットに伝わる言葉を選ぶことで置き換えることができます。

例えば、うさぎを模した丸いお菓子のコピーを考えるとします。
あなたは「丸い」ことが理由で「かわいい」と思ったので、「丸くて、かわいい」というコピーを考えました。
一方、ターゲットは「うさぎ」の方が「かわいい」と感じる傾向があるとすると、「うさぎ型で、かわいい」というコピーの方がターゲットに伝わりやすいといえます。
あなたがどうしても「丸い」ことをアピールしたい場合は、「かわいい」という言葉を変えるという考え方もあります。
こちらもターゲットと照らし合わせ、「丸い」は「きれい」という傾向があるとすれば、「丸くて、きれい」というコピーがターゲットに伝わりやすいとなります。

このように捉え方が異なる言葉を置き換える場合は、あなたの理由とターゲットの理由を照らしあわせ、ターゲットの言葉を選んで置き換えることでターゲットの捉え方に合った言葉をつくることができます。

まとめ

プレゼンや資料の内容が相手に理解されない・伝わらないという時は、大抵相手のことを考えず、自分の言葉で伝えてしまっています。
そのような問題を解決するための1つの方法として、本記事では「あなたの言葉をターゲットの言葉に置き換える」という方法について述べてきました。
ターゲットの全てを知ることはできないので、仮説を立てて言葉をつくる必要もありますが、相手に理解されない・伝わらないという問題を抱えている方は、この記事を参考にしてターゲットに伝わる言葉を検討してみてください。
最初はうまくいかないこともあると思いますが何度もチャレンジすることで精度も上がり、伝わる言葉を作ることができるようになるはずです。

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